■未熟児無呼吸発作へのカフェイン投与は安全

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長期追跡で11歳時までの安全性を検証

 未熟児無呼吸発作の頻度と重症度を緩和する治療の一つがカフェインクエン酸塩だ。生後18カ月時点の評価では、カフェインの投与は小児にさまざまな利益をもたらしていた。米Pennsylvania大学のBarbara Schmidt氏らは、早期のランダム化対照試験に参加した小児を長期追跡して、11歳時点の機能的障害の有病率を比較し、懸念されていたリスク上昇は無かったと報告した。詳細は、JAMA Pediatrics誌電子版に2017年4月24日に掲載された。

 未熟児無呼吸発作に対してカフェインを適用すると、生後18カ月時点の気管支肺異形成症、重症網膜症、神経発達障害(脳性麻?、認知機能の発達の遅れ)のリスクが低下し、障害のない状態での生存率が上昇することが報告されている。さらに5歳時点で評価したところ、カフェイン投与が協調性運動障害のリスクを低減し、運動機能を向上させる可能性が示唆された。しかし、カフェインを投与し一定期間アデノシン受容体を阻害すると、未熟児の脳の発達に有害な影響が生じるのではないかという懸念もあった。

 そこで著者らは、新生児期のカフェイン投与が11歳時の学業成績や運動能力、行動などに及ぼす影響を調べることにした。1999年10月11日から2004年10月22日までの間に、国際的な臨床試験Caffeine for Apnea of Prematurity trialに登録された、出生体重が500~1250gだった小児を追跡し、カナダ、オーストラリア、英国の14の大学病院で、2011年5月7日から2016年5月27日まで、機能的転帰に関する評価をおこなった。

 カフェインに割り付けられた未熟児には、20mg/kgを負荷用量として投与し、その後は維持用量として5mg/kgを連日投与した。無呼吸発作が持続していた患者には、最大10mg/kg/日までの増量を検討した。投与は、Postmenstrual age(母親の最終月経初日から出生までの期間に生後週数を加えた期間)がおおよそ35週になるまで継続した。対照群の未熟児には生理食塩水が投与されていた。

 長期追跡の主要評価項目は学業成績、運動能力、行動のどれかに問題がある場合に設定した。学業成績は、Wide Range Achievement Test を構成する4つのサブテスト(文章理解、音読、綴り、計算)のいずれか1つ以上のスコアが、平均点100点のの2SDより下となる70点未満の場合で判定した。運動能力は、手先の器用さ、投てきと捕球、バランスを評価するMovement Assessment Battery for Children-Second Editionの総スコアが5パーセンタイル以下の場合障害ありと判定した。行動障害はChild Behavior ChecklistにおいてTotal Problem Tスコアが平均点50点より2SD以上高い69点超の場合問題ありと判定した。3つの評価指標の1つ以上に該当した場合に機能的障害ありと判断した。

 ランダム割り付けの対象だった1202人のうち、主要評価項目に関するデータがそろっていたのは920人(76.5%)だった。うち457人がカフェインに、463人がプラセボに割り付けられていた。920人の平均年齢は11.4歳、444人が女性だった。それらのうち、機能的障害ありと判断された小児の割合は、カフェイン群が31.7%(145人)、プラセボ群は37.6%(174人)で、調整オッズ比は0.78(95%信頼区間0.59-1.02)と有意差を示さなかった。

 利用可能なデータの全て(スウェーデンの試験に参加した24人からのデータも追加)を分析したところ、4つのサブテストのうちの1つ以上で学業成績が低かったのは、カフェイン群の14.4%(458人中66人)とプラセボ群の13.2%(462人中61人)で、調整オッズ比は1.11(0.77-1.61)だった。行動障害はそれぞれ10.9%(476人中52人)と8.3%(481人中40人)に認められ、調整オッズ比は1.32(0.85-2.07)で、差は有意ではなかった。

 一方で、カフェインは運動障害のリスク低減に関係していた。運動障害はカフェイン群の19.7%(457人中90人)とプラセボ群の27.5%(473人中130人)に認められ、調整オッズ比は0.66(0.48-0.90)になった。運動障害の評価項目である、手先の器用さ、投てきと捕球、バランスのそれぞれについて比較したところ、手先の器用さとバランスにおいて、両群の差は有意だった。

 これらの結果から著者らは、未熟児無呼吸発作に対するカフェイン療法を受けた患者に、11歳時点の学業成績、運動機能、行動障害の複合イベントを減らしてはいなかったが、運動障害のリスクはプラセボ群より低かった。そのため、この試験で用いられた用量のカフェイン療法は有効で、学童期まで安全だったと結論している。

 原題は「Academic Performance, Motor Function, and Behavior 11 Years After Neonatal Caffeine Citrate Therapy for Apnea of Prematurity」、概要はJAMA Pediatrics誌のウェブサイトで閲覧できる。
http://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/article-abstract/2617993

資料 TMSジャパン
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